今日は、『聴くこと』について書いていきます。
GIFTを始めるにあたって、『話を聴く』ということが最初から組み込まれていました。
僕が小学校〜高校あたりまでばりばりの不登校人間だったことは、以前のブログにも少し書きましたが、そのおかげというべきか、臨床心理学やカウンセルという分野に昔から興味がありました。
独学ではありますが、大学で使う学術書のようなものから実用書まで、長い時間かけて読んできて、多くのことを学ぶことができました。
心理学というと、『人間の心を理解・把握する』というイメージが多くあるのではないかと思いますが、(それはもちろん間違いではありません)でも、知識を重ねて、僕が学んだことは『話を聴くこと』がいかに大事かということです。
(心理学にも様々な流派がありますし、僕の書いていることが正解というわけではないという前提で書き進めていきますが…)
人間の心を定形化・一律化にするのはすごく難しいのだということ。
それはつまり、何かの問いに対して、答える人の数の分だけ答えがあるということでもあります。
遠くから見てしまったら同じように聞こえる答えでも、近くでしっかり聴いていくと、それぞれ間違いなく違うんです。
話す立場のときは、自分のことを他人に簡単にまとめられてしまうと何だか哀しい?気持ちになるのに、聴く立場にまわると、そのことを意外と忘れてしまいがちなように思います。
だからこそ、その人の話を聴くことから全ては始まっていくし、そこからしか始まらないと思っています。
GIFTでは、撮影の前に(前もってクエスチョンを選んでもらい)、メッセージのベースを作っていただいています。
・この子を初めて見た(抱っこ)したとき、思ったことは?
・名前の由来は?
などの質問に、ざっくりと箇条書きでメモっていただき、共有します。
ベースができたら、いざ本番。
僕たちから質問をしてみて、話をもっと掘り下げてみるときもあるし、「うん、うん」と相槌だけをうち、語る言葉に寄り添うこともあります。
メッセージを話すときに、良いことを話そうとする必要はないと、僕は思います。
大切な人への気持ちを、その人の言葉で話してほしい。
その言葉を撮影して形にするのが、僕たちの役目です。
でも、細かいことをいうと撮影はカメラがしてくれます。もちろん操作はしますけど、記録はカメラの役目なんだと思っています。
それじゃあ、僕たちの役目はなんだろう。
カメラの正確な操作だろうか?
間違ってはいないけれど、それは本質ではないんじゃないか。
人と人が向かい合うから、できること。
そう、僕たちの役目は『話を聴くこと』なんだ。
そんな風に考えながら、僕はいつも撮影にのぞんでいます。
2019.11.25